「辞めたいけど、言えない」
そんな状態に追い込まれている人は、実際たくさんいます。
特に、職場でのハラスメントを受けていると、自分の気持ちすら声に出すのが怖くなってしまいます。
佐々木涼介さん(仮名)もその一人でした。

苦しみながら働き続けた日々と、退職代行によって解放された瞬間、そして今の暮らしについて詳しく伺っていきます。
佐々木さんのプロフィール
―よろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
「佐々木涼介(仮名)です。今は34歳ですが、退職代行を使って会社を辞めたのは3年前、31歳のときです。当時は地方の製造業で働いていて、現場と営業をつなぐ調整業務を担当していました」
―職場の規模はどれくらいでしたか?
「従業員は100人くらいでした。雰囲気は一見アットホームに見えるんですけど、実際は古い体質が根強く残っていて、特に年配の管理職が強い発言力を持ってました」
ハラスメントによる精神的な追い詰められ方
―どんなハラスメントを受けていたんですか?
「直属の上司が高圧的な人で、ちょっとしたミスにも大声で怒鳴ってきたり、人格を否定するような言い方をしてくる人でした。『こんなこともできないなんて社会人失格だな』とか、周囲の前で言われることが日常でした」
―かなりきついですね……。
「最初は我慢していました。でも徐々に体に影響が出るようになって、朝起きると動悸がしたり、会社の前まで来ると吐き気がする日もあって。メンタルクリニックに行こうか迷ったこともありました」
退職を考えても踏み出せなかった理由
―退職は早い段階で考えていたんですか?
「はい、1年目の終わりには“このままじゃまずい”と思ってました。でも、“この人に辞めるって伝えたら何を言われるかわからない”って怖さが勝ってしまって。人事も上司寄りの体制だったので、相談してもまともに取り合ってもらえないだろうと思ってました」
―辞めたいのに言えない状態が続いてたんですね。
「そうなんです。頭の中では“辞めたい”ってずっと思ってるのに、口に出すことすらできない。気がつけば3年も経ってました」
退職代行を知ったきっかけと決意までの流れ
―退職代行のことはどうやって知ったんですか?
「たまたまYouTubeで“辞められない人の体験談”を見て、そこで退職代行の存在を知りました。最初は“他人に頼んで辞めるってどうなんだろう”って疑問もあったんですけど、調べていくうちに“自分のためにはこれしかないかもしれない”って思えてきました」
―決意までに時間はかかりましたか?
「2〜3日くらいですね。LINE相談ができるサービスがあったので、深夜に思い切って送ったら、翌朝すぐに返信が来て。その対応がすごく丁寧だったので、そこで気持ちが固まりました」
実際に退職代行を利用した時の流れと反応
―実際の流れはどんな感じでしたか?
「相談の後、必要事項を入力して、正式に依頼しました。あとは退職代行の担当者がすべてやってくれて、会社には一切連絡しなくて済みました。会社からも連絡はありませんでした」
―トラブルなどはありませんでしたか?
「一切なかったです。書類関係も郵送でやり取りして終了しました。最後まで上司と顔を合わせることなく辞められたのは、本当に救いでした」
退職後の変化と心の回復について
―退職したあとはどうでしたか?
「本当に、“解放された”って感覚でした。最初の1週間はひたすら寝てましたね。それくらい心も体も疲れてたんだと思います」
―今はどんなふうに過ごしていますか?
「今は別の業界で事務系の仕事をしています。職場も落ち着いていて、自分の意見が言える環境です。前職と比べて、今のほうが圧倒的に自分らしくいられます」
まとめ
佐々木涼介さんの体験からわかるのは、退職代行は「逃げ」ではなく、「守るための選択肢」であるということです。
自分ひとりではどうにもできないとき、プロに頼るという選択が、心と体を守る大きなきっかけになることもあります。
ハラスメントに苦しんでいる方がいたら、まずはひとりで抱え込まず、相談という一歩から始めてみて下さい。

辞めることでしか見えない景色が、きっとありますよ!