退職代行という言葉が世の中に浸透してきた一方で、「本当に頼っていいの？」「パワハラから逃げる手段として使ってもいいの？」と迷っている人も多いかもしれませんね。
今回ご紹介する石川美咲さん（仮名）の体験は、そんな人たちにとって参考になる内容だと思います。
25歳という若さで深刻なパワハラに直面し、自分一人ではどうにもできない状況の中で、退職代行という選択をした理由とその後の変化を語っていただきました。
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石川さんのプロフィール
―まずは簡単に自己紹介をお願いします。
「石川美咲（仮名）です。現在27歳で、退職代行を使ったのは25歳の時でした。当時は中小の不動産会社で営業アシスタントをしていて、上司のスケジュール管理や顧客対応、資料作成などを担当していました」
―仕事自体はどうでしたか？
「業務内容は嫌いじゃなかったんですが、人間関係がとにかくキツかったですね。特に直属の上司との関係が最悪でした」
パワハラによって追い詰められた日常
―具体的にどんなパワハラを受けていたんでしょうか？
「毎朝の朝礼で、全員の前で“昨日のお前の対応は最悪だった”とか“こんなミスして恥ずかしくないの？”って大声で言われていました。電話の受け答え一つでも怒鳴られて、正直どんどん自分に自信がなくなっていきました」
―精神的に追い詰められていたんですね。
「はい。出社前はお腹が痛くなってトイレから出られなくなったこともありますし、仕事中も常にビクビクしていました。自分の顔色をうかがう同僚がいるのもわかって、それもまた辛かったですね」
退職の意志を持ちながら言い出せなかった理由
―退職はいつ頃から考え始めていたんですか？
「パワハラが始まって2ヶ月くらい経った頃には『もう限界かもしれない』と感じていました。でも、上司の性格を考えると“辞めたい”なんて言ったら何を言われるか分からないと思ってしまって」
―怖さのほうが大きかったんですね。
「そうですね。“退職”の“た”の字も出せなかったです。面談の時間ができても、話す勇気が持てなくて何も言えませんでした。完全に萎縮してました」
退職代行という選択肢に辿り着いた経緯
―退職代行を知ったきっかけは何だったんでしょうか？
「Twitter（現X）で、たまたま“退職代行で辞めました”という投稿を見たのがきっかけです。“こんな方法あるんだ”って衝撃でした。そこから一気に調べ始めました」
―最初は不安じゃなかったですか？
「ありました。ネットだけで申し込むのも不安だったし、会社から責められたらどうしようって。でも、公式サイトに書かれていた事例やサポートの詳細を読んで『ここなら大丈夫かも』と思えるようになって。無料相談をしてみたら、丁寧に話を聞いてくれて、安心感がありました」
専門家の支援で安全に退職できた実体験
―実際の手続きはどんな流れでしたか？
「まずLINEで相談して、電話で状況を詳しく伝えました。その後は会社への連絡や退職意思の通知、書類関係など全部お任せでした。私は何もすることがなくて、あっという間に会社に辞める意思が伝わった感じでした」
―会社から連絡は来ましたか？
「一切ありませんでした。上司と顔を合わせることも、電話で話すこともなく終わって、ホッとしました。代行業者の方が“今後一切直接連絡がいかないように対応します”って言ってくれたのが心強かったですね」
退職後の心と体の変化・現在の生活
―退職後の生活はどう変わりましたか？
「まず、毎日寝られるようになりました。それだけでもありがたかったです。精神的に追い込まれなくなると、食欲も戻って、友達とも自然に会えるようになりました。以前の自分に少しずつ戻っていく感覚がありました」
―今はどんな仕事を？
「今は事務職として別の会社に勤めています。職場の人たちは穏やかで、安心して働けています。以前の経験があるからこそ、環境の大切さを実感しています」
まとめ
石川さんの体験から、「退職代行＝逃げ」というイメージはまったく当てはまらないということがよく分かりました。
自分で言い出すのが難しいとき、精神的に限界を迎えているとき、そんなときに“自分を守るためにプロの力を借りる”というのは、むしろ冷静で前向きな判断だと感じます。
今、パワハラや過度なストレスで退職を切り出せずに悩んでいる方がいたら、ぜひ一人で抱え込まず、こうした選択肢を検討してみて下さい。
きっと、もう少し楽に呼吸ができる日が来るはずです！
